01 / PLACE & LANDSCAPE
中国のどこにあり、どんな地形なのか
重慶市(チョンチン)は長江と嘉陵江の合流点を中心に、四川盆地東部の山地へ広がります。 二つの川と坂道が、立体迷路のような都市をつくった。
長江と嘉陵江の谷は湿度が高く夏が暑いため、香辛料と油を使う輪郭の強い味が好まれます。
地図と料理をひらいています…
CHINESE REGIONAL CUISINE
重庆市
チョンチン / Chóngqìng
重慶市(チョンチン)は長江と嘉陵江の谷は湿度が高く夏が暑いため、香辛料と油を使う輪郭の強い味が好まれます。 唐辛子、花椒、牛肉を軸に、土地ごとの主食と味が発達した。 地形・気候・歴史から、なぜこの土地でこの味が育ったのかを辿ります。
REGIONAL FOOD CULTURE GUIDE
食材や料理名を並べるだけでなく、自然環境と人の移動が、主食・調味料・調理法へどうつながったかを順に辿ります。
01 / PLACE & LANDSCAPE
重慶市(チョンチン)は長江と嘉陵江の合流点を中心に、四川盆地東部の山地へ広がります。 二つの川と坂道が、立体迷路のような都市をつくった。
長江と嘉陵江の谷は湿度が高く夏が暑いため、香辛料と油を使う輪郭の強い味が好まれます。
02 / HISTORY & EXCHANGE
南宋期の『慶事が二重に重なった』という意味の重慶府に由来します。 直轄市として広大な農村部も抱え、自動車・物流・夜景で知られます。
河港の船員・労働者文化と四川東部の農村料理が、坂の多い都市の外食文化で結びつきました。
03 / PRODUCTS & STAPLES
主要な産物・食材は唐辛子、花椒、牛肉、内臓、川魚。主食は米、麺が軸です。現在収録する料理では、麺、唐辛子、野菜、内臓、牛がよく現れます。
湿気の多い河港都市で、牛脂と唐辛子・花椒を効かせた火鍋文化が発達しました。
04 / FLAVOR & TECHNIQUE
主要な調味の手掛かりは花椒、唐辛子、豆板醤、牛脂。火鍋、煮込み、小炒といった調理法で、香り、保存性、食感を組み立てます。収録料理にも煮る、火鍋、揚げる、炒めるが見られます。
長江と嘉陵江の谷は湿度が高く夏が暑いため、香辛料と油を使う輪郭の強い味が好まれます。 その環境で安定して得られる唐辛子、花椒、牛肉を、火鍋、煮込み、小炒ことで食べやすくし、花椒、唐辛子、豆板醤で土地の味へまとめた結果、現在の食文化が形づくられました。
05 / REPRESENTATIVE DISHES
重慶市(チョンチン)と結びつく代表例は重慶小麺(重庆小面)、重慶毛血旺(重庆毛血旺)、重慶火鍋(重庆火锅)、歌楽山辣子鶏(歌乐山辣子鸡)、重慶酸辣粉(重庆酸辣粉)、万州烤魚(万州烤鱼)です。料理名の食材・調理法・味の語を追うと、この土地で重視される技術が見えてきます。
06 / DIFFERENCES WITHIN THE REGION
中心部は火鍋と小麺、万州は焼魚、涪陵は榨菜など、長江沿いの都市ごとに看板が異なります。 重慶市の重慶小麺、万州区の万州烤魚、合川区の合川桃片のように、近い土地でも市場に集まる食材と専門店の技術で料理の輪郭が変わります。
LOCAL DISHES
荣昌卤白鹅
Rongchang lu bai'e白鵞を香辛料の卤水でゆっくり煮含め、艶のある薄切りにする栄昌名物。
歌乐山辣子鸡
Geleshan laziji小さく揚げた鶏肉を大量の乾燥唐辛子と花椒で炒める重慶江湖菜。
合川桃片
Hechuan taopian糯米粉、砂糖、胡桃を薄い長方形へ固める合川の伝統菓子。
合川肉片
Héchuān ròupiàn薄切り豚肉に米粉の衣を付けて黄金色に揚げ、甘酸っぱい芡汁を絡める合川の伝統料理。
磁器口麻花
Ciqikou mahua小麦生地を細くねじって香ばしく揚げる、磁器口古鎮を代表する軽い甘味。
重庆火锅
Chongqing huoguo牛脂、唐辛子、花椒の赤い鍋で毛肚や肉、野菜を煮る重慶の代表料理。
重庆酸辣粉
Chongqing suanlafenさつまいも春雨へ酢、辣油、花椒、豆を合わせる酸辣味の街角麺。
重庆小面
Chóngqìng xiǎomiàn具より調味料の配合を競う、重慶の朝の標準形。
重庆泉水鸡
Chongqing quanshui ji鶏肉を大量の唐辛子、花椒、豆板醤で煮炒めする南山発祥の江湖菜。
重庆豆花饭
Chongqing douhua fan温かな豆花、白飯、辛い蘸水を組み合わせる重慶の日常食。
重庆毛血旺
Chóngqìng máoxuèwàng屠場周辺の血豆腐と内臓が、痺れる大鉢料理へ育った。
城口老腊肉
Chéngkǒu lǎo làròu大巴山の豚肉を塩と香辛料で漬け、薪煙で長く燻して黄褐色に熟成させる城口県の保存食。
丰都麻辣鸡块
Fēngdū málà jīkuài茹でた鶏を骨付きの小片に切り、辣油、花椒、にんにくをたっぷり絡める豊都県の冷菜。
万州格格
Wànzhōu gégé羊肉、豚排、肥腸などを米粉と辛い調味料で和え、小さな竹蒸籠で一人分ずつ蒸す万州の小吃。
万州烤鱼
Wanzhou kaoyu丸ごとの魚を焼いてから唐辛子と香味野菜の鍋へ移す万州の夜食。
梁平张鸭子
Liángpíng Zhāng yāzi鴨を卤水で味付けして乾かし、皮が赤褐色に締まるまで烤製する梁平の老舗系名物。
潼南太安鱼
Tóngnán Tài'ān yú川魚に澱粉衣を付けて揚げ、豆板醤、泡椒、花椒の赤い汁で煮込む潼南区太安鎮の名物。
璧山来凤鱼
Bishan Laifeng yu鮮魚を豆板醤、唐辛子、花椒で濃く煮付ける、成渝古道の来鳳驛に根付いた江湖菜。
黔江鸡杂
Qianjiang jiza鶏の砂肝や腸を泡椒、酸蘿蔔、じゃがいもと強火で炒める黔江の麻辣料理。
涪陵油醪糟
Fúlíng yóuláozāo発酵糯米を豚脂、胡麻、落花生、棗などと炒め、湯で溶いて卵を落とす涪陵の甘い滋養食。
綦江北渡鱼
Qíjiāng Běidù yú川魚を三つの食感に切り分け、泡椒や豆板醤の酸辛い汁で煮る綦江区北渡の江湖菜。